動物病院開業成功のための3つのポイント
診察圏調査
1.「診察圏調査」は、開業を成功に
導く必須条件です。
これを理解していない先生が多いので、ぜひ理解して欲しいのです。
なぜなら、診療圏調査には、重要な3つの役割があるからです。
まず1つは、「候補地(物件)で、はたして開業して良いかどうか決める際の重要な判断資料になる」からです。
診療圏調査の内容は、Ⅰ診療圏、Ⅱ患畜動態、Ⅲ競合施設、Ⅳ聞き取り調査の4項目があります。
Ⅰの「診療圏」とは、患畜(お客様)の来院が通常見込める地域的範囲をいいます。地形的要素、距離的要素、社会的要素等を基礎にして、その範囲を総合的に判断します。
Ⅱの「ペット動態」とは、動物病院が対象にできる市場及びその規模を推定する各種事項をいいます。その内容は、世帯数、世帯規模、登録犬数、登録犬の推移、推定ペット飼育数、ペット関連ショップ数等をいいます。これらの事項を基礎に推定患畜数や予想来院ペット数を出していきます。
Ⅲの「競合施設」は、ズバリ自院の競争相手になる動物病院をいいます。
Ⅳの「聞き取り調査」とは、診療圏内のペット飼育者に各種の事項について聞き取りを行う調査をいいます。診療圏内全般わたって、多数(50?100人)のペット飼育者を対象に、ペットの種類、競合施設に関すること、動物病院に対するニーズ等を聞き取るのです。
「診療圏」を決めることにより自院の市場範囲が判りますし、その状況が把握できます。ペット動態や聞取り調査によりその市場の内容、規模が判ります。そして、競合施設調査により競争相手の力が判ります。これにより来院予測や売上予測が立ち、病院経営の適否ができるのです。
当社の調査では、これらの項目を更に複数の事項に分け点数化し、その合計点の平均点で開業場所の優劣を判断します。これにより合理的な優劣の判断を客観的に行うよう努めています。この調査内容は、金融機関から評価をいただいております。
2つ目として、「金融機関から融資を得る際の重要な資料になる」点があげられます。
開業に際して金融機関から開業資金を調達することが多いのですが、その調達をスムーズに運ぶためには、その金融機関に「自分が行う動物病院経営は、安定で将来性がある」ことを強く説得しなければなりません。その説得は、客観的で合理的な資料に基づかなければなりません。的確で詳細な内容を持った診療圏調査は、まさにその資料になるのです。
3つ目に、「自院の集患、増患対策の基礎資料になる」点があげられます。
集患、増患をする場合、ただ闇雲に広告宣伝をしても無駄が多いのです。やはり、集患、増患のための広告宣伝は、合理的で効果的な手を打つ必要があります。
診療圏調査は、診療圏という市場範囲を明示しているのですから、それを基に広告の量(新聞折込チラシであれば何枚、野立て看板であれば何ヶ所、駅看板であればどこどこ)を確定できますし、広告手段も診療圏やペット動態を基に的確な取捨選択が可能になります。
また、広告宣伝方法も色々なものがあり、その費用も大小さまざまです。そして、効果も各種なのですから、種々の資料により効果的で低費用の広告宣伝手段を選ぶ必要があるのです。