動物病院(獣医師)の開業・開院コンサルティング
株式会社本郷いわしや
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動物病院開業Q&A

Q1.良い開業場所(物件)を早く楽に探す方法は?

希望の地域や開業有望地域(いくつかあげ、その地域にある何軒かの不動産屋さん(免許番号が古く、ある程度の規模を持った業者が情報量も多く、良い物件が出やすい)に希望の条件(賃料、面積、築年数等)を伝え、条件に合うものを探してもらいます。
不動産屋さんには、できるだけ密に連絡を取り、意欲を見せることです。最低一回は訪問すべきでしょう。
インターネットでの検索も1つの手段ではあります。が、情報は古いと思ってください。すでに埋まっているテナントや長期にわたって空いているテナントも掲載されています。手軽に探せる分、ハズレもあるかも知れません。

ただ、不動産屋さんは、他に多くのお客様を抱えているので、先生だけに力を注ぎません。
そこで、各種の業者さん(医薬品商社・医療器械商社・設計事務所など)にお願いしてみるのも良い方法です。その際注意すべきは、その業者さんとの関係です。あくまでもその業者さんは、無料で情報を提供してくれるのですから、その点をわきまえて依頼することです。
情報量に期待できない場合が多いのですが、先生との関係がよければいい情報が出てきます。

最後に、開業コンサルタントに頼む方法があります。
実績があり力量があるコンサルタントであれば、これが早くて賢い方法です。
開業できない場所があります。お気をつけ下さい。

1、第1種低層住居専用地域
2、第2種低層住居専用地域
3、第1中高層住居専用地域
4、工業専用地域
5、市街化調整区域

上記の地域にあてはまるかどうか、不動産屋さんに聞いておくべきです。

候補地に競合病院が何件あるのかを簡単に調べる方法があります。
Googleマップという地図検索のホームページがあります。ここを開いて頂いて、検索キーワードを入力するところに「動物病院 ○○市」と入力しますと、○○市周辺の動物病院が地図上にでます。是非、一度は調べてみる価値はあります。

Q2.開業準備の費用を安く上げる方法は?

開業準備の過程で大きく費用がかかる作業は、①物件の不動産契約、②内装(テナント開業の場合)、建築(戸建開業の場合)、③医療機器導入です。

例えば、②の内装などは、広さにもよりますが約1,000万円、③の医療機器も500?2,000万円ぐらいはかかります。しかし、これらはポイントを押さえ、交渉すれば、全体の1割から2割ぐらい安くできます。

そのポイントは、次の通りです。

まず、①不動産の交渉について。
不動産の交渉の場合、できるだけメリットを取るためには、固定費になる賃料、共益費を100円でも安くしてもらうことです。
次に、保証金、敷金を減額してもらうのです。これは、一種寝てしまうお金なので、上手い話し方により大幅に減額できます。
次に、開業日(内装工事中の家賃)までの家賃を減額してもらうのです。これも話し方により可能です。例えば「私はここで動物病院を成功させたい!でもお金がなく大変です。何とかお願いできませんでしょうか」というようにです。

不動産契約は、各種のお金が出てくるので、ポイントを押さえれば、当初の条件より2割?4割ぐらい減額できます。
ただ、余り値切るのも要注意です。なぜなら、大家さんとは長い付き合いになるので、ほどほどがいいのです。そこを忘れないことです。

②の内装費ですが、正直、各部材や壁紙、電気工事、水道工事など1つ1つに値段が決まっていませんので、交渉しにくいのが正直なところです。が、諦めてはいけません。可能な限り部材一つ一つの明細を出してもらい、この部材に変るものがないか確認するべきです。
それなりに対応しますと、それなりの完成度になります。

③の医療機器ですが、大体は納入価格の相場がありますので、お知り合いの先生にお聞きするのが一番かと思います。
もっとも気をつけなければいけないのが、中古品です。
最近、メーカーによってはオーバーホール(総点検により、部品を新しくしたりして使用が可能な状態にする)した正規品なども出できていますがメーカー保障のないものがほとんどです。中には器械番号(メーカーで管理する番号)を分からなくしてあるものもあります。すぐに壊れても修理ができない商品もあります。
必ず、購入する業者かメーカーに確認をすべきです。

Q3.開業準備を進める上で、開業コンサルタントは、利用する価値があるの?

条件付でイエスです。理由は次の通りです。

まず、開業準備は、先生が初めて行う作業が多く専門的な知識が必要なので、その準備作業を正確かつ無駄なく行うには、経験を踏んだ知識のある人がいいこと。開業コンサルタントは、その条件を一般に満たすといえます。

つぎに、時間です。
重要で手間のかかる作業をコンサルタントにやってもらえば、当たり前ですが、先生としては時間を買うことになります。ただ、頼りっきりはいけません。

最後に、安心感が得られます。経験を踏んだ実績のあるコンサルタントであれば、間違いなく諸作業をしてくれ、問題が起きても的確に処理してくれるので、余計な心配をしなくて済みます。
これが一番大きい理由かもしれません。

さて、以上の理由があるといっても、コンサルタントは、誰でもいい訳ではありません。条件があります。
1つは、経験を踏んでいること。
少なくとも、5年以上の開業準備実務をこなしている必要があります。
次に、10件以上のコンサルティング実績がほしいところです。
そして、先生と相性がいいことです。換言すれば、会っていて違和感がないことです。この点は大事です。一生の問題を託すのですから。

最後に、コンサルティング料のことですが、相応のコンサルティング料は必要です。お金を払っていれば、反面、責任追及できるのですから。「ただ」より高いものはありません。この点が理解できなければ、コンサルティングは、頼まないほうがいいでしょう。

Q4.病院の建築、内装を安く良質に行う方法がありますか?

あります。次の条件を押さえれば、十分可能です。

まず、良い内装屋さん、建築屋さんを見つけることです。これで決まります。
しかし、お知り合いでいらっしゃれば良いのですが、この業者さん選びが先生には非常に困難だと思います。
そこで、このような業者さんを紹介してくれる相手が必要になります。この相手は、お付き合いのある医療機器業者さんや薬屋さんです。
長年付き合っていて信頼できる業者さんであれば。問題ないでしょう。
それから、開業コンサルタントです。
良いコンサルタントを選んでいるのが前提になりますが、信頼でき実績があればいい業者さんを紹介してくれるでしょう。

ちなみに、良い内装屋さん建築屋さんの判断基準は、動物病院の内装、建築の実績が多いこと、経験が長いこと(経験があるだけでは駄目)、誠実なことです。

それから、実際に内装、建築をしてもらう前に数社の業者から同じ図面で工事金額の見積を取ることです。それが大きな間違いを犯さなくて済みます。

ただし、安いからと言って安易に任せると、出来上がったら「あれ?」なんてこともあります。慎重に検討するべきところです。

Q5.医療機器は、どの程度整備したらよいか?

これも一律には答えられません。
先生の①「診療方針」、②「経営目標」、③「予算」により違ってきます。
ですから、まず、この①、②、③を決めてください。

特に、①と②は医療機器の選定に取り重要ですから、慎重に練ってください。
もし、1人で決めかねるときは、先輩院長や業者さんの話しを聞き決めてください。

それから、機器の費用対効果も検討することをお忘れなく。必須の機器(レントゲン、診察台、血液検査、オペ用具等)はいいのですが、ICUや内視鏡などの高額医療機は、ぜひ費用対効果を事業計画書を作りながら精査してください。
③についても、どうしても①②から必要なものは、どうにかして予算を組むことです。方法はあります。

Q6.開院時に最低限行う広告は?

次の3つでいいと考えます。
まず、開院時に行う「新聞折り込み(ポスティング)チラシ」、次に「ホームページ(HP)」、そして、「院内パンフレット」です。
あとは余力があれば、費用対効果を考えて、取捨選択すればいいのです。

「新聞折り込み(ポスティング)チラシ」は、自院の周辺地域に対する「挨拶状」の性格を持ちますので、これは必ずやらなければなりません。チラシの内容、枚数はその道の専門家に相談し、無駄なく効果的に打ってください。

次に、HPですがこの広告は今は必須の方法です。
HPの無い動物病院は、発展または生き残りは難しいでしょう。
ただ、内容の無い、質の悪いHPは逆効果ですので、HPの制作及び維持は気合を入れてやってください。
院内パンフは、口コミの補完道具ですので、これも内容を吟味して作ってください。内容次第により、どんどん集客ができます。

Q7.リースってなんですか?

簡単に言いますとレンタルに近いイメージです。

皆さん車を買うときに、ローンを組むか思い切って現金で買うか、どちらかがほとんどだと思います。最近はリースもありますけどね。
車は買うと自分の物になります。が、リースの場合は基本的に「借りる」という事です。

例えば、200万円する医療機器の場合、現金で払えば200万円。60回払いのローンを組めば、総額約226万円。
リースを5年間で組むと約222万円。
ですが、リースは契約期間を過ぎますと再リースと言って、毎月支払っていた分を1度支払って、1年ごとに延長して借りられる、という仕組みです。 最近のリースは、あらかじめ延長しないで、5年間払い続ければ買い取れるタイプもあります。

一概にはいえませんが、通常の金利で借り入れが可能であれば、ご購入される方をおすすめします。

Q8.開業するのにいくら必要ですか?

テナントか戸建て、住宅街か駅前かなど、条件により様々ですが、テナント開業で平均4500万はかかるとみて良いかと思います。

①内装費1800万
②医療機器2000万
③什器備品100万
④広告費50万
⑤獣医師会50万
⑥運転資金500万
合計4500万

それでは、1つ1つ見ていきましょう。

①内装費 1800万坪単価60万として計算しております。これが高いか安いかは、判断は難しいところです。
テナントの引渡し時の状態によって、工事費が変ってきますし、レイアウトによっても変ってきます。
②医療機 2000万最近の傾向として、検査機器は必須です。
開業時にどの程度のエコーを入れるかによって変ってきますし、新品・中古の組み合わせでも当然変ってきます。
③什器備品 100万家具類・OA機器など、揃えなければいけないものはたくさんあります。
意外とかかるものです。
④広告費 50万ホームページ作成・チラシ作成・看板など、これらは必須アイテムです。
⑤獣医師会 50万最近は地域によって、入らない方もいらっしゃるようです。
入会金は地域差があるようです。
⑥運転資金 500万初年度は特に経営が厳しいとお聞きします。最低でも6か月分は確保したいところです。

上記以外にも、保険料・敷金礼金・薬代など、出費がございます。
運転資金は、多いにこしたことはございません。
借り入れをされる場合は、お支払い開始を6ヶ月程遅らせるなどして、開業当初の負担を 出来るだけ軽減されることをおすすめします。

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